食べることが大好きで、
もちろん、お酒も大好きで、
高い所はちょっと苦手で、
大きなお風呂を夢に見て。
そんな、本間さんの家。
コートハウスプランの中心は、図面上ではもちろん庭です。
この住宅においても、庭を中心としていかにスペースを配置するか?
という事を平面、断面の両方からひたすら検討を重ねました。
ところが、完成すると庭にあったはずの重心は、ダイニングへ移動し、
プラン上の重心との微妙な「ずれ」が起こりました。
僕は、都市住宅に豊かさを獲得するためのキーワードは、
このような「ずれ感」なのだと考えています。
それは木造とコンクリートの構造体のずれ、
鮮やかな色が放つ色気の日常生活とのずれ、
どう見ても大きすぎるバスルームの一般解とのずれ・・・・。
このような小さな「ずれ達」が、住宅を
「わたしたちの家」
に変えるキーワードなのだと僕は考えています。
そしてその「ずれ」の根っこは、
住まい手の「ささやかな欲望」
であるべきだと、
この家を訪れるたびに、僕は確信しています。
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