池田さんの家

house for ikeda


埼玉県越谷市 / 住宅 / 2階建( 木造 )  / 敷地面積:100u / 建築面積:59u / 延べ床面積:112u 

構成: 夫婦+子供一人

2018







郊外の普通の住宅地の中にある敷地は、

とっても普通な30坪の真四角な形をしていました。

でも、ただシキチの両面に道路がある、たったそれだけのコトで、

なんだかとても風通しのいい街でした。


そんな街の魅力を最大限引き出すように、

シキチの四隅を三角に切り落としたいびつな平面。

そこに大きな屋根をかけました。






「部屋は小さくても、空をみながらビールをおいしく飲めるテラスがあって、

晴れでも、雨でも、雪でも、それが美しく感じられたり、

 なんでもない日常を、何もしなくても気持ちよく過ごせる、というのが家族の理想なのです。」





そんな仲のいい池田さんご家族のために考えた、大樹の下の居場所のような住まい。





いやいやむしろ、、、、、、大樹に住みついた生き物たちのためのツリーハウス。


道路側から見た外観です。平面が多角形なので、

正面というのがなかなかないのですが。





写真のように、敷地の四隅を開けているので、木を植える場所は

たくさんあります。玄関の正面にも目隠しの木を植えました。

そうそう、屋上まで階段でそのまま登っていけるのです。















階段の踊り場は、ちょっとしたベンチになっています。

こげ茶の焼きすぎに挟まれた土間空間が家の中の路地で、

その中にいろんなお部屋が入っています。






池田さんちの浴室は、ちょっとした発明です。


「普段はシャワーしか使わないのに、バスタブが汚れるのが嫌です。」

「時々は、浴槽にもつかるので、その時は、リラックスした時間を。」


という、実はよくありがちな二つの要望を叶えるために、シャワー室を分けて作りました。


ま、全て池田さんの意見ですけど、、、、。































池田さんの部屋は、カラシ色と、朱色の2色構成としています。

まぁ、しかし入居後のレイアウトの上手さと言ったら、、、、素晴らしすぎます。


脱帽。


僕たちまで、センスの良い人だと誤解されそうです。(笑)





















2階に上がると、正面にオープンな台所があります。

台所の向こうには、インナーテラス。

ほんのちょこっとだけ、カウンターを斜めに配置しています。



オープンな場所の裏には、パントリーや洗濯スペースなど、

家事がしやすい回遊動線、裏動線を確保したりと

案外気が利いてるのです。


















インナーテラスに面した扉を解放すると、ひと続きの空間になります。

同じ屋根が、家の中にも外にもかかっているので、

大きな傘の下にいるような気持ちになります。














2階の一番奥の、お母さんの部屋から、インナーテラスを見たところです。

特等席ですね!







台所から、直接インナーテラスに、料理を渡すことができます。






階段から、台所と、パントリーエリアを見下ろしたところです。

こげ茶の空間の向こうにちらっと見え隠れする色どり。



奥は、洗濯室。右は、トイレ。


いつも脇役になってしまう部屋をあえて綺麗な色にする事で、

不思議と家の奥行きが倍増する気がするんですよねー。


どうでもいいや、と思いがちな部屋こそ、

鮮やかな色や柄にするのが、案外ポイントだといつも思います。



断面的には、煙突効果で屋上まで一気に風が抜ける、

とても風通しのいい空間になっています。









どこまでが内で、どこまでが外か?






   
構造:桑子亮/桑子建築設計事務所   施工:内田産業 

協力 平鍛冶(特殊金物)/高橋園(植栽)

photo:西久保毅人