いろんな敷地がある中でも、角地は半分は街のものだと考えています。
だから立ち現れる建築もそのような存在でありたい。
このような考え方は限られた敷地に建てるご家族としては、
一見損するような気がしませんか?
でも実は完成すると、まるで街を手にれたような気分を
味わえる無限の広がりを獲得できるから不思議です。
1階は街の見通しを考えできるだけコンパクトに。2階をできる限り張り出して
雨宿りのできるような存在を目指しました。
そして住宅への出入り口は道路と物理的な距離感を取るように2階とし、
街と生活者の接点をぼやかすように屋根と窓のない穴を持つ壁を設けています。
内部階段は1階から屋上までをつないでいて、1階のオフィスは直接外部から出入りが可能です。
小さいながらも立体的な回遊同線を持たせることで、
街と一定の距離感を持ちつつも、街と連続しているような生活体験を作そうと考えました。
敷地面積:80u 建築面積:48u 延べ床面積:79u
構造:桑子亮/桑子建築設計事務所 施工:仲野工務店 /協力:平鍛冶 小原歩(特注スチールワーク)
photo:西久保毅人