『植物を育てられるようなサンルームがあって、植物を眺めながら生活できたら最高です』





これは設計の最初にに木元さんがおっしゃった言葉です。

そこでせっかくなので、植物のためのインナーテラスが、

道路からの視線を避ける緩衝帯としても作用するような空間を考えました。

　　


平面形状は東側の景観を抱え込むような「くの字」としています。

いびつな１階の形状は、樹木の生える地面を最大化する事を目的にして考えました。

断面的には「インナーテラス」に玄関からも直接アプローチでき るように

２つの階段を計画し、日常的にも立体的な回遊導線となるように考えています。

暮らしの中に人間以外の「生き物の居場所」を優先して抱え込む事で、

逆に社会の変化に左右されない環境装置としての住宅となる事を目指しました。

土の地面をできるだけ残したり、植物の居場所をつくったり。

さしだす事は算数的にはマイナスですが、実は何倍も暮らしが豊かになるという魔法でもあります。

ちょうどコロナ禍の緊急事態宣言の最中にお引っ越しされたのですが、

ステイホームがめっちゃ快適だったそうです（笑）。

敷地面積：103.6�u　　　建築面積：51.4�u　　延べ床面積：110.5�u　
　　　
構造：桑子亮/桑子建築設計事務所　　施工：宮嶋工務店 　／協力：平鍛冶　小原歩（特注スチールワーク） 　　　ハタノワタル（和紙製作）

photo:西久保毅人