加藤さんの家

house for katou


神奈川県横浜市 /  2階建( 木造 )  / 敷地面積:150u / 建築面積:71u / 延べ床面積:116u 

構成: 住宅+仕事場

2018






<









「いじけるところ」



敷地の前面が開発中の傾斜地のため、遠く海まで見渡せる敷地です。

設計よりも、この場所を見つけた加藤さんのセンスの勝利だなーと思いつつ、

その見晴らしを、家のどこからも楽しめるような空間にしたいなーと思いました。



と同時に、奥さんの実家に帰るとみんなでコタツで過ごすのが、とても居心地がいい、という話。

そのくせ、イメージ写真は、超モダンでかっこいい空間だったり、、、、。


最初のご提案時にあった螺旋階段ではなくなったのに、

「でも、せっかくだから、丸は残したいんですよねぇ、、、、。」

お子さんの要望に、 「、、、、いじけるところが欲しい。」って書いてあって、

「確かにねぇ、、、」ってみんなで思ったコト。

 

、、、、と、思い返すとキリがないですが、

そういう、大らかなところと、細やかなところが同居して、一つ一つのいろんなエピソードの軌跡が、

変に抽象的にならずに、そのまんま重ね合わされているような、、、、

そんな加藤さんの家。


家って、他人にとっては無駄で、用途不明瞭な場所の集まりのコトなのかも知れませんねー。



だって、家だから。

 











道路からみたところ。





玄関を開けると、向こうの崖まで見渡せる土間空間です。

丸い靴脱ぎスペースは苦肉の策でしたが、これぞ「日本の玄関」、というべきとてもおおらかな場所になりました。






くつを脱ぐ場所


敷地が、ずいぶんいびつな形状でもあり、不思議な形になりました。

丸の中は、最初は螺旋階段だったのです。




左は、仕事場、右はトイレ。




浴室、洗面所、クローゼットが、ひとつづきになっています。







左は、階段を見上げたところ。右は、洗面所から、玄関方向をみたところ。







玄関から2階を見上げる。丸い筒は、2階まで伸びていきます。

中身は何でしょうかね?





子ども達。









2階を見渡す。






仕太いきの幹のまわりは、程よい死角になっていて、無駄にくるくる回れます。














こたつと、絶景。











2階のキッチンの後ろには、丸いパントリーがあります。

家の中の裏路地のような場所。











階段から、崖側を見返す。


完成時の2階。 奥に見える黄色と青の部屋は、子供室です。


風景と一体になるように、扉は全部引き込めるようになっています。

とはいえ、安全のためにどうしても手すりが必要ですが、ここでは、できるだけ細く、ではなくあえて

できるだけ太い木材を選択しました。











畳の子供室。







からし色のパントリー。














日々。







日々。






1階を見下ろす。






日々。






日々??






日々???

子ども達の「いじけるところ」ですから、大人がいじけるところにしないよう、、、。












「お風呂は嫌いです。」との事でしたが、

引越し後、お風呂によく入るようになったとか、ならないとか、、、なったとか(笑)。







風景とともにある暮らし。






家と街のあいだに。







構造:mono /桑森永信行   施工:石和建設   プロデュース:ザ・ハウス 


協力 平鍛冶、深沢義一制作工房(特殊金物)

photo:西久保毅人